「bybit(バイビット)の証拠金の仕組みってBitMEX(ビットメックス)と違うのかなぁ?」
「他の仮想通貨FXと比べてどう??」
「どの通貨を証拠金にしたらいいんだろう?」
そんな事を考えている人に向けて、今回は証拠金に視点を絞ってbybit(バイビッド)の良いところと悪いところを確認していきたいと思います!
皆さんは、証拠金についてどういったイメージを持っていますか?
bybit(バイビット)は、今まで使っていた仮想通貨FXとはちょっと違うイメージかもしれません。
今回は、証拠金についてしっかりと理解するために、是非この記事を最後まで読んでみてくださいね。
目次
bybit(バイビット)の証拠金の仕組み
bybit(バイビット)では、BTCを入金した場合はBTCのレバレッジ取引、ETHを入金した場合はETHのレバレッジ取引という様に、入金した通貨のみを取引することが出来ます。
[資産]ページの[使用中証拠金]は、とは分別管理証拠金の合計であり、下記に使われています。- ポジションを閉じる際の手数料を含む総保有ポジション
- 2WAYテイカー手数料を含むすべてのアクティブな注文
使用中証拠金 = ポジション証拠金 + 注文証拠金
ポジション証拠金 = ポジション使用中証拠金 + ポジションを閉じる際の手数料
注文証拠金 = 注文作成時の使用中証拠金 + 2WAYテイカー手数料(ポジションを取る際と閉じる際の手数料))
各通貨の使用中証拠金等を確認する場合は、このページを参照してください。
証拠金を追加する方法
ポジションをオープンした後でも証拠金を追加することが可能です。
メインの取引ページの右上隅でレバレッジを調整したり、[ポジション]欄の[証拠金(レバレッジ)]をクリックして証拠金を追加したりできます。
入金して証拠金にする資金を増やしたい場合は、下記記事の「入金通貨・入金方法」を参照してください。
自動デレバレッジ(ADL)ってなに?
契約損失とは?
まず、契約損失について説明します。
ある人は、100倍のレバレッジを使用して大口ポジションを保有しており、相場が上昇傾向にあると予想しています。
ある日、相場の下落により、彼のポジションは清算されました。
その際、損失は証拠金よりも上回っていました。
契約損失とは、当初証拠金では補うことができない損失をいいます。
「当初証拠金」については下記記事を参照してください。
契約損失メカニズム:自動デレバレッジと社会的損失
清算が起きた際、破産価格よりも有利な価格でポジションを清算することができない場合、どのトレーダーが契約損失を補填するか決定するために契約損失メカニズムが使用されています。
現在、ほとんどの取引所は契約損失メカニズムとして社会的損失システムを使用しています。
しかし、社会的損失システムにはいくつかの欠点があります。
社会的損失システムでは、1人の高リスクのトレーダーの契約損失が、低リスクのトレーダーを含むすべての利益を上げているトレーダーに多大な影響を与える可能性があります。
社会的損失システムは、低リスクのトレーダーが高リスクのトレーダーの損失を補填することを強いられるので、不公平です。
さらに、利益の受け取りは決済日まで凍結されてしまいます。
以下の理由から、Bybitは契約損失メカニズムとして自動デレバレッジ(ADL)システムを採用しています。
1) ユーザーが、高リスクのトレーダーによって引き起こされた大きな損失の影響を受けるのを回避します。
2) トレーダーはご自身の現在のADLランキングを簡単に見ることができるため、レバレッジをより低いレベルに調整することでランキングを下げることができます。
3) トレーダーが決済日まで待つ必要がなく、自動デレバレッジが完了したらすぐに市場に再参入できるようにすることで、取引の不確実性を取り除きます。
自動デレバレッジ(ADL)の定義
仮想通貨市場は常に変動しており、ポジションの清算は頻繁に起こります。
トレーダーはこう思うかもしれません。
「清算中に契約損失が発生した場合、その取引所では誰が補填するんだろう?」
自動デレバレッジ(ADL)システムは、清算の発生後、契約損失を保険基金で補填することができないときに、損失を補填するために構築されました。
そして、自動デレバレッジ(ADL)システムは、利益とレバレッジに基づく優先順位付けによって反対売買側のトレーダーのポジションを自動的にデレバレッジします。
つまり、トレーダーがより高いレバレッジでより収益性の高いポジションを保有している場合、自動レバレッジの対象に選択される可能性が高まります。
低リスクトレーダーが選択される可能性が低いという点で、低リスクトレーダーにとって自動デレバレッジ(ADL)システムが社会化損失システムよりも公平だと言えます。
ADLランキングはどこで確認出来るか?
ユーザーは「ポジション」欄のADLランキングで自分のランキングを確認することができます。
これはいくつかのランプで表示されています。
それぞれのランプは20%刻みでトレーダーの優先順位を表します。
5つのライトがすべて点灯している場合、このトレーダーのポジションがADL順位のトップパーセンタイルにあることを示しています。
トレーダーはレバレッジを減らすか、またはポジションのいくつかを決済することによってランキングを下げることができます。
↓すべて点灯している場合(パーセンタイル20%)
どのようにADLシステムが機能するのか?
端的に言うと、例えば売りのポジションの人が保険基金で賄えない損失を出した場合、買いポジションのADLランキングの高い人がそれを補填するという仕組みです。
まず第一に、ADLシステムは最も高い順位に位置付けられたトレーダーを選択して優先順位を付けてデレバレッジします。
次に、システムは選択された利益を出しているポジションを清算されたポジションでマッチングして「破産価格」で決済します。
損失を補填するトレーダーへメイカーリベートが支払われ、損失を補填してもらったトレーダーにはテイカー手数料が課金されます。
最後に、ADL の対象に選択されたトレーダーは、EメールまたはSMSによる通知を受け取り、アクティブな注文がすべて決済されます。
この後、決済されたユーザーは再び参入することができます。
自動デレバレッジ(ADL)システムは、破産価格よりも有利な価格でポジションを清算できない場合に、誰がそのコストを負担するかを決定するためにBybitが採用している契約損失メカニズムです。
保険基金の残高が不十分である場合に、ADLシステムが清算プロセスを引き継ぎます。
例:
トレーダーは50倍のレバレッジを使用して3,378USDで5,000 BTCUSD契約を買い、清算価格は3,328.5USDです。
まず、破産価格を計算しましょう。
ロングポジションの場合の計算式:
= (3,378 x 50) / (50+1)
= 3,311.76471 USD
≈ 3,312 USD
システムがこのポジションを3,312 USD(破産価格)よりも有利な価格で清算することができず、保険金に契約損失を補填するのに十分な残高がないと仮定すると、ADLが処理を引き継ぎます。
この取引所に6つのショートポジションがあると仮定して、システム内で最も高いランクに位置するトレーダーが優先的に選択され、最初にデレバレッジの対象になります。
自動デレバレッジランキングは、利益と使用している実効レバレッジの大きさに基づいて決定されます。反対売買注文を入れている選択されたトレーダーが、清算された注文の破産価格にてレバレッジ解除されます。
ショートポジション保有のトレーダー | 売り契約数 | ランキング=”損益率×実効レバレッジ” | パーセンタイル |
トレーダーA | 5500 | 6 | 20%(5ランプ) |
トレーダーB | 2500 | 5 | 40%(4ランプ) |
トレーダーC | 2000 | 4 | 60%(3ランプ) |
トレーダーD | 3000 | 3 | 60%(3ランプ) |
トレーダーE | 2000 | 2 | 80%(2ランプ) |
トレーダーF | 5000 | 1 | 100%(1ランプ) |
この表を見ると、トレーダーAが最も高いADLランキングに位置していることがわかります。
トレーダーAが選択され、3,312 USD(破産価格)で5,000の契約すべてを約定し、残りの500の契約はオープンのままです。
その後、契約価額が少なくなっても同じ証拠金を使用するため、自動レバレッジが適用されます。
この後は、トレーダーAのADLランキングはもうトップでなくなる可能性があります。
別の筋書きでは、レバレッジ解除される契約が10,000ある場合、トレーダーA、B、およびCがすべて選択されます。
メイカー手数料は選択されたトレーダーに支払われ、一方、テイカー手数料は清算ポジションに課せられます。
選択されたトレーダーはEメールまたはSMSによる通知を受け取り、BTCUSDのアクティブな注文はすべて決済されます。
その後は、彼らは自由に市場に再参入することができます。
すべてのトレーダーは、[ADLランキング]欄で自分のADLの優先順位を確認できます。
ADLシステムの実行例紹介
先程とは少しだけ違う表を使って説明します。
トレーダーが8,000USDで3,000分のBTCUSD契約を買います。
清算価格が7,700USDで、破産価格は7,500USDと仮定します。
マーク価格が清算価格に達すると、この3,000の契約は強制的に清算されます。
しかし、現在のBybitでの最終取引価格は7,300USDです。これは破産価格よりはるかに低いです。
保険金には契約損失を補填するのに十分な残高がないため、ADLシステムが清算プロセスを引き継ぎます。
この取引所には6つのショートポジションがあります。
以下の表を見ると、トレーダーAが最も高いADLランキングに位置していることがわかります。
彼が選択されて、7,500USDの破産価格で3,000の契約損失を補填します。
トレーダーAの残りの2,000の契約はオープンのままです。
彼は契約価額が少なくなった後でも同じ証拠金を使用するので、彼は自動デレバレッジされます。
これ以降、トレーダーAのADLランキングはもうトップに位置していない場合もあります。
同様に、1万契約分の損失があった場合は、トレーダーA、B、Cがすべて選択されます。
彼らはEメールまたはSMSによる通知を受け取り、BTCUSDのアクティブな注文がすべて決済されます。
その後、彼らは自由に市場に再参入することができます。
ショートポジション保有のトレーダー | 売り契約数 | ランキング=”損益率×実効レバレッジ” | パーセンタイル |
トレーダーA | 5000 | 6 | 20%(5ランプ) |
トレーダーB | 2600 | 5 | 40%(4ランプ) |
トレーダーC | 2400 | 4 | 60%(3ランプ) |
トレーダーD | 2000 | 3 | 60%(3ランプ) |
トレーダーE | 2000 | 2 | 80%(2ランプ) |
トレーダーF | 5000 | 1 | 100%(1ランプ) |
ADLランキング
下図のランプは、自動デレバレッジ(ADL)システムでの ADLの優先順位を示しています。
5つのライトがすべて点灯している場合は、ご自身のポジションがADL順位の最上位パーセンタイルにあることを意味します。 各ライトは、次のパーセンタイルに対する20%の増分を表します。
ADLランキングの管理方法:
トレーダーはご自身のADLランキングをいつでも確認できますので、レバレッジを下げるか、または未実現利益の一部を決済することで、ADLの対象に選ばれる可能性を管理できます。
- レバレッジを引き下げると、リアルタイムでADLの順位が下がります。
- 未実現利益を決済してもADLの順位は下がりませんが、ADLのリスクにさらされる契約の数は減ります。
ADLランキングの計算・管理方法
まとめ
bybit(バイビット)の証拠金は「使用中証拠金・ポジション証拠金・注文証拠金」という名前で分別されている
bybit(バイビットでは自動デレバレッジシステムを採用している
自動デレバレッジ(ADL)のランキングにより、補填対象となるユーザーが決定される
ランキングは自分で調整することが出来る
bybit(バイビット)のADLシステムはちょっと珍しく、複雑な仕組みですが、把握出来ていると普段から「ランキングを調整しよう」という意識が生まれると思います。
この記事で理解していただいたことを、是非活かしてくださいね。
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