ビットコインは一番最初に開発された仮想通貨であり、仮想通貨の中の時価総額ではダントツのトップを走っています。
ただ最初に誕生した仮想通貨ということは、実はまだまだ未完成な部分が多くあるということです。
今回はそんなビットコインの問題点を解消するために、開発されたSegWit(セグウィット)について解説していきたいと思います。
目次
ビットコインのスケーラビリティ問題
ビットコインのブロックチェーンは10分間に1回、その取引履歴を承認し、ブロックに保管していきます。
そしてそのブロックは1MBのサイズでだいたい3000もの取引がそこに記録されると言われています。実はこの部分に大きな問題があると言われています。
今の承認スピードとブロックサイズだと、利用ユーザーが増えてきた現在、送金などの手続きにかなりの時間と手数料がかかってしまうと言われています。
それまで長くても15分くらいで完了していた承認が1時間経っても完了しないという状況になりつつあったのです。
この問題を解決するための方法は2つ、「ブロックの容量を大きくする」か「取引のサイズを圧縮する」かのどちらかです。
そして取引のサイズを圧縮するというのが今回説明する「SegWit(セグウィット)」となります。
SegWit(セグウィット)について
取引の履歴を圧縮することがSegWit(セグウィット)であるとお伝えしました。
では具体的にどのように圧縮しているのでしょうか。
これはそれまで同じブロック内に収められていた「署名(取引を承認した人みたいなイメージ)」と「公開鍵」を分離して、他のところに保管するという方法です。
技術的な言い方をすると「scriptSig」に含まれている署名や公開鍵のデータを「witness」という全く別の領域に格納します。
SegWitは「scriptSigの中に署名が含まれていなければならない」を「witnessの中に署名が含まれていなければならない」とプログラムを書き換えることを言います。
その結果、ブロックに保管されるべきデータは60%も圧縮する事ができました。
保管すべきデータを圧縮することができれば、実質的なブロックサイズにつながり、スケーラビリティ問題を回避につながります。
ビットコイン分裂問題
ビットコインにセグウィットを実装する話は2017年8月に決定しました。そして24日にセグウィットの実装が完了したのです。
しかしセグウィット実装に反対の集団がありました。
それはビットコインのマイニングを行っているマイナーたちです。
セグウィットを実装してしまうと、今まで自分が使ってきたマイニングマシンの効率が著しく落ちてしまうのです。
そこでセグウィット実装に反対のマイナーたちは、ビットコインを分裂させて新たに「ビットコインキャッシュ」を作り出しました。
SegWit(セグウィット)が完了している通貨
モナコイン
2017年4月16日に世界で初めてセグウィットを実装した仮想通貨です。2ちゃんねるから誕生したジョークコインのように思われがちですが、世界的に注目されているコインでもあります。
ライトコイン
2017年5月11日にライトコインはセグウィットを実装しました。
セグウィット実装後、ライトコインの価格は4倍ほどに跳ね上がったので、かなりの注目度があったようです。
SegWit(セグウィット)はビットコインのアップデートのようなもの(まとめ)
セグウィットめぐるビットコイン分裂問題はまだまだ解決しておらず、2017年11月に行われるはずだったSegWit2xは一旦延期となりました。
ビットコイン関係者間のコンセンサスがとれなかったことが原因だと言われています。
自身の利益や政治的な問題ではなく、世の中の人が使いやすい通貨を作るという観点から開発を続けてほしいと切に願います。
クリプト業界代表の意識高い系男子。仕事に役立つ意識高い系の呟きを連発します。Crypto fire side chat関西仮想通貨大会議主催者 。関西を中心にツイッターインフルエンサーさんと一緒に楽しいセミナーを企画しています。
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