「そもそもハードフォークって何?」
「BCH(ビットコインキャッシュ)のハードフォークで何が起こるの?」
「BCH(ビットコインキャッシュ)がハードフォークするのはいつ?」
この記事はそんな事を考えている人に、是非読んでいただきたい記事です。
『ハードフォーク』という言葉を初めて聞いた人から、ハードフォークで新コインを増やしたい人まで、様々な人にお役立ていただけると思います。
ハードフォークとは何か
仮想通貨は、基本的にブロックチェーンによって成り立っています。ブロックチェーンは最初から異なる一つのデータの列なので、仕様を変える際には2つの方法があります。
- ブロックチェーン全ての仕様を変更し、以前の仕様も使えるままにする方法
- 該当の仮想通貨のルールを変える際に旧ルールを無視し、新ルールを新たに適用することで旧ルールの互換性がなくなる事
1の方法をソフトフォーク
2の方法を、ハードフォークといいます。
ハードフォークは完全に新仕様になるため、旧仕様との互換性がなくなります。なので一新することが出来るのですが、旧仕様との互換性がなくなります。
ハードフォークが行われた場合は事実上「旧仕様」「新仕様」どちらの仮想通貨も存在することになります。
この時に生まれたブロックを、それぞれ残して行く場合にコインが分裂するという訳です。
2018年のBCH(ビットコインキャッシュ)ハードフォークとは?
最近話題になっているのはBCH(ビットコインキャッシュ)のハードフォークです。
日本時間の2018年11月16日1時40分頃にハードフォークが実行され、大幅アップデートと共に新しい仮想通貨が付与される事が決定しています。
今回のハードフォークでは、「Bitcoin ABC」と「Bitcoin SV」の2チェーンに分裂する可能性があるという事です。
海外取引所の「Binance」がハードフォークのサポートをすると発表したことにより、一気にBCH(ビットコインキャッシュ)の購入が増え、大きな価格変動が発生しています。(11月9日現在)
現在、ハードフォークのサポートをすると発表しているのは下記取引所です。
- Binance
- Houbi
- OKEX
また、上記3箇所は海外取引所ですが、国内取引所では『SBIバーチャル・カレンシーズ』が「BCH保有者には保有量に応じた形で新コインを供給する予定(現金で支払う可能性あり)」と発表しており、合わせて4箇所の取引所で、BCHを預けておくとメリットがあるようです。(11月9日現在)
ハードフォークをサポートしない国内取引所でも、ハードフォークによる影響は受けますので注意が必要です。
例えば、bitbankでは11月16日1時40分頃に資産のスナップショット(保有残高の記録)を取得し、BCH(ビットコインキャッシュ)の預入・引出を、11月15日22時より停止するという発表が出ています。
※ BCH(ビットコインキャッシュ)の預入・引出停止の解除日時については未定
そのため、ハードフォークで新通貨を貰うつもりは無いという人に関しても、BCH(ビットコインキャッシュ)を預けている取引所がある場合は、どの時間で取引が停止してしまうのか確認しておく必要があると思います。
ハードフォークの問題点
Ledgerがハードフォークについてコメントしていた文章によると、「ハードフォークの懸念点としてリプレイアタックが挙げられる」と発表しています。
このように、ハードフォークにはいくつかの問題点がある可能性を懸念しておく必要があります。
問題1:ハッシュパワー
Satoshi Nakamotoの論文に『ブロックチェーンの分岐が発生した場合でも、より強いハッシュパワーが支持するブロックチェーンに収束します』という記載があります。
分裂によってハッシュパワーも分散して、どちらかが強すぎたり弱すぎたりしたときに、おかしくなる可能性があります。
最悪、どっちかが無くなるという可能性も有り得ます。
そのため、ハードフォーク反対派の方が多々います。
問題2:リプレイアタック
リプレイアタックとは、ユーザーがログインするときにデータを盗聴し不正アクセスすることです。
リプレイアタックに対する対策をした上でハードフォークをしないとデータが流出する可能性があります。
問題3:技術的な改善
Bitcoin Unlimitedプロジェクトでは、バグが生じてマイニング報酬が無効になるという事態が起こりました。
問題4:信用性
ハードフォークをしてしまうと、理論的に『どんな変更も可能』という概念ができてしまします。
『発行数の上限が2,100万枚』というのはビットコインのルールですが、それすらも理論上は変更できてしまうではないか?という声があります。
ブロックチェーンにより、『取引データは改ざんできません』という事が売りなのに、システムごと変わる事が出来るのは不安・・・
というような信用性に関わる問題で、ハードフォークに反対する方が多々います。
問題5:アップデートによるトラブル
ウォレット・取引所・その他のビットコインネットワークで、ハードフォーク後の通貨に対応するようにアップデートが行われます。
その際に、一時的なエラーやトラブルが起こることが考えられます。
ハードフォークの際は、こういった問題があることを考慮する必要があります。
予定されている、新しいコインの特徴
今回のハードフォークは元々、新たなアップグレードを行う目的で予定されていましたが、アップグレードに反対する人々が声を上げたことから、ハードフォークによる分離が行われる事になったという経緯があります。
各コインで、それぞれ下記のアップデートが控えています。
Bitcoin ABC
- CTORの導入
- opコード「OP_CHECKDATASIG」と「OP_CHECKDATASIGVERIFY」の施行
- 最低限トランザクションサイズの施行
- 「push only」ルールの施行
- 「Clean stack」ルールの施行
Bitcoin SV
- ブロック容量を32MBから128MBへ4倍増
- 以前禁止されていた4つのopコードの解禁
- opコードのスクリプトを201から500に増加
ハードフォークをサポートしている取引所にBCH(ビットコインキャッシュ)を預けている場合は、新しいコインが生まれた際に、BCH(ビットコインキャッシュ)の保持量と同数のコインが付与される事になります。
また、過去にBTC(ビットコイン)が分裂してBCH(ビットコインキャッシュ)が生まれた際は、1割程度の金額になりました。BTC(ビットコイン)が100万円の時にBCH(ビットコインキャッシュ)は10万円になる計算です。
新しくハードフォークで生まれるコインも、BCH(ビットコインキャッシュ)の1割程度の価格が付くのではないかと思います。
まとめ
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ハードフォークとは、ブロックが分裂すること。
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分裂したハードフォークにより、新しいコインが生まれる事がある。
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ハードフォークをサポートすると発表している取引所にBCH(ビットコインキャッシュ)を預けておくと、分裂したコインを受け取ることが出来る。
11月15日(日本時間の11月16日)に実施されるBCH(ビットコインキャッシュ)のハードフォーク。
もし新コインを貰いたい場合は、ハードフォークをサポートしている取引所に預けておくことや、BCH(ビットコインキャッシュ)を預けている取引所の取引が停止する前に取引の準備をするなど、しっかり確認しておきましょう。