「チャートって、インジケータだけじゃ分かりにくいんだよね」
「テクニカル分析に役立つ理論を、勉強したい!」
「エリオット波動って色々あってややこしいんじゃ・・・?」
そう考えている方に向けて、今回は複雑な「エリオット波動」を分かりやすく記事にしてみました。
エリオット波動って何?という方にオススメの、基本を抑える記事になっています。
この記事を読むと、勝てるチャート分析に一歩近づきますよ!
目次
エリオット波動理論の基本
エリオット波動理論とは、相場は5つの上昇波と3つの下降波で、1つの周期を形成するという考え方です。
下図のように上昇相場においては5波、下降相場においては3波の計8波が基本の形となります。
上昇波は1~5波、下降波は a ~ c 波で形成されています。
相場はN字の動きをする
エリオット波動理論を勉強するうえで、意識すべき基本が1つあります。
それは、相場はN字の動きをするということです。
まっすぐの向きのN字ではなく、斜めに傾いたN字と考えてください。
値動きのイメージとしては、基本的に上昇は「N2つ」、下降は「逆さN」の字形で動きます。
この5つの上昇波というのは、全てが上がる波ではありません。
「上→下→上→下→上」と、3回上がって2回下がるものです。
全体的には上がるため、これら5つの波をすべて含めて5つの上昇波とします。
3つの下降波も「下→上→下」という具合に、ジグザグに動きながら全体的に下がるものです。
これによって、上昇波で「最後に上がって終わった」状態が修正されます。
そのため、5つの上昇波を推進5波、3つの下降波を修正3波と呼ぶこともあります。
また、この波はそれぞれの波の中に、更に小さな波がありチャートを作っています。
上図のように、無数のN字が並んで相場のジグザグを形成しているということです。
これはエリオット波動理論が当てはまる相場だけでなく、どんな相場でも必ず、大小さまざまなN字が連続して構成されています。
この相場の原則を思い返すことで、エリオット波動理論の内容を理解しやすくなります。
上昇5波について
上昇5波については、それぞれの次のような特徴をもっていると言われています。
上で説明した図と当てはめてみてくださいね。
第1波 | じわじわとした動きで徐々に方向性が明らかになっていく。 |
第2波 | 第1波の大半を打ち消す反対方向のかなり強い動き。売買高が低下することで収束。 |
第3波 | 通常はもっとも強く長い動きで、5波のうち最大値幅動くことが多い。 |
第4波 | 乱高下が続く複雑な動きで高値持ち合いに近い。 |
第5波 | かなりのスピードと勢いをもったバブル的な急騰であることが多い。 |
エリオット波動が変形した「エクステンション」とは?
上のセクションでは、上昇5波について説明しました。
しかしながら、エリオット波動は基本の形だけでなくエクステンション(延長)することがあります。
そして、延長(変形)によりチャートに影響がある場合もあります。
FXの場合、株価と違って一方の通貨が下落するということは、もう一方の通貨が上昇することなので、下降トレンドなら「下降5波・上昇3波」があってもおかしくありません。
下図BTCUSDの値動きは、第3波が最も長く、第3波のなかにさらに5つの波を確認することができます。
このように、「上昇5波・下降3波」といっても、形が崩れていたり、波の数が違っていたりする場合も多く、エリオットはこれを「エクステンション(延長)」と呼びます。
たとえば、上昇5波のなかでは、第3波や第5波が複数の波になって、エクステンションしやすいといわれています。
5つの波のなかでエクステンションが起こるのは通常、ひとつの波だけです。
エリオット波動理論の3原則
エリオット波動理論には3つの原則があります。
これは「エリオット波動となるための3つの条件」という方がわかりやすいでしょう。
この3つの条件は上昇5波で出揃うものなので、ここでエリオット波動だとわかれば、下降3波の動きが予想しやすくなります。
第1、3、5波の上昇で第3波が一番短くなることはない。
第1波の上昇を完全に打ち消すような第2波の下落はない。
第4波の下落が第1波の波の頂点を下回ることはない。
上昇波の第1波、第3波、第5波の中で 第3波は 一番エクステンションし やすい波動となりますが、この3つの中で、一番短くなることはありません。
もし 第3波が第1波よりも短かった場合、第5波は当然のことながら第3波 よりも短くなります。
ということは、第5波の天井の最高値、または底の最安値は、ある程度予想がつくという事になります。
また、第1波の開始位置を下回るような第2波はありません。
1波開始位置をサポートラインとしてそのラインよりも下回ってチャートが反転した場合は、この時点で上昇5波ではないと判断出来ます。
そして、第4波の下落位置が第1波の「上昇後」の位置を下回っていた場合も、エリオット波動ではないという事になります。
そのため、これらの3原則はあくまで、エリオット波動に該当するパターンを見つけるための手段になります。
エリオット波動はフィボナッチ数列と関係性がある
フィボナッチ・リトレースメント
エリオット波動の「上昇5波・下降3波」は、フィボナッチ数列と関連性があるとされています。
3、5やその和である8はフィボナッチ数列に登場する数です。
上昇5波は、さらに5波→3波→5波→3波→5波の計21波に細分化されますが、21もまたフィボナッチ数列になります。
そのため、エリオット波動の分析には、フィボナッチ・リトレースメントを併用する事が一般的です。
フィボナッチリトレースメントについてはこちら↓
下図は、2018年2月のBTCUSDのチャートです。
チャート上には、比較的クリアな「上昇5波・下降3波」が確認でき、下降3波のあと、その波動は反転上昇を始めました。
この値動きをフィボナッチ・リトレースメントで分析してみると、38.2%のラインをタッチして上昇し始めたため、反転して上昇するトレンドなのだなと分かります。
実際、その後は上昇5波を描いて再び0%まで上がりました。
フィボナッチ比率
「このチャートでエリオット波動理論が成り立つ」という予測が正しければ、上昇5波・下降3波が発生することはわかります。
しかし、これだけでは「それぞれの波の転換点がどこか」がわかりません。
波が起こる回数はわかっても、場所がわからないということです。
この場所を推測するために、フィボナッチ比率を活用します。
フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列(隣り合う2つの数字の和で作られている数列)で現れる比率です。
中でも特に有名なものが黄金比と呼ばれる1.618という比率です。
2つの数字の大きい方を小さい方で割ると、1.618になるパターンを指します。
エリオット波動理論の中でも、この1.618の比率で値動きを予測できるケースが多くあります。
たとえば、第2波の下り坂が終わったあとの、第3波の上り坂の長さです。
これは、下り坂の1.618倍の長さになることが多くなっています。
あくまで、その相場がエリオット波動理論で動くという予測が的中すればですが、このように細部まで値動きを予想することが可能です。
エリオット波動は、利益確定や損切りのタイミングの参考となる
エリオット波動は、明確な売買シグナルを出してくれるわけではないので一見、使いづらく感じるかもしれません。
しかしチャートを「上昇5波・下降3波」という視点で捉えられることで、
といった売買プランを考えるうえで、非常に参考になることは間違いないでしょう。
他の指標などと同じく、エリオット波動理論も絶対ではありません。
しかし、やみくもにタイミングを決めるよりは成功率が上がります。
また利益確定・損切りとも何らかの根拠を持って行う方が、予想が外れた場合でも学べることが多いでしょう。
そのため、利益確定・損切りのタイミングでエリオット波動理論を用いることは、とても参考になると思います。
まとめ
エリオット波動は上昇5波、下降3波で形成されている
エリオット波動には3原則がある(原則に従っていればエリオット波動だと分かる)
フィボナッチと組み合わせて更に値動きを予想することが出来る
今回はあくまで触りの部分だけ、エリオット波動について説明してみました。
この他にも、エリオット波動には6つのパターンのうちいずれかの波動になる・値幅観測が出来るなど多くのメリットがあります。
是非トレードに取り入れてみてくださいね。
クリプト業界代表の意識高い系男子。仕事に役立つ意識高い系の呟きを連発します。Crypto fire side chat関西仮想通貨大会議主催者 。関西を中心にツイッターインフルエンサーさんと一緒に楽しいセミナーを企画しています。
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