「チャートを分析するいい方法あるかな」
「フィボナッチ・・・って何?」
「フィボナッチリトレースメントの上手い活用方法が知りたい」
そんな方に向けて記事を書きました。
この記事を読めばチャート分析のレベルが一段階アップしますよ!
フィボナッチリトレースメント描画方法
フィボナッチリトレースメントは下図のボタンから描画出来ます。
マウスを当てると「フィボナッチリトレースメントを描く」という文字が出てきますね。
もし、オブジェクトのボックス自体が表示されていない場合は右クリックで「ライン等」にチェックを入れて表示させてください。
フィボナッチリトレースメントは、下記のような構造になっています。
初めに、2つの極点、例えば、底から天井へトレンドライン(斜めのライン)が構造されます。
次に、0.0、23.6、38.2、50、61.8、100、161.8、261.8、及び 423.6パーセントのフィボナッチレベルでトレンドラインを交差する 9 本の水平線が描画されます。
フィボナッチリトレースメントをトレードでどう使うか?という方法については後述しますが、基本的にトレンドが発生した際に、「戻り」の位置を確認するために描画します。
下図のような上昇トレンドの場合、100がトレンド開始位置、0がトレンドの上昇済み価格の位置に来るようにして描画します。
フィボナッチリトレースメントの編集と、プロパティの確認
トレンドラインにはマウスで移動出来る3つの点があります。
①及び③の点は、トレンドラインの長さと方向を変更するのに使用されます。
②の点は、大きさを変更せずにオブジェクトを移動するのに使用されます。
フィボナッチリトレースメントの上で右クリックをして「プロパティ」を選択すると、フィボナッチリトレースメントの詳細が表示されます。
レベル
「レベル」のタブでは、ツールのレベル管理が出来ます。
上図にあるように「詳細」フィールドに(%$)を追加すると、表示している通貨ペアごとの、価格がチャート上に表示されるため便利です。
パラメータ
「パラメータ」タブでは下記のパラメータがあります。
- 日付/値 — トレンドラインの始点の座標(価格軸の日付/値)
- 日付/値 — トレンドラインの終点の座標(価格軸の日付/値)
- 右に延長 — フィボナッチリトレースメントを右側へ無限延長します
- 左に延長 — フィボナッチリトレースメントを左側へ無限延長します
フィボナッチリトレースメントについて
フィボナッチとは、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ氏が研究した「フィボナッチ級数」を意味し、リトレースメントとは「引き返す、後戻りする」といった意味です。
フィボナッチとは
次の数字の並びを見て下さい。
「 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233,377・・・」
このように、永遠と繰り返されるこの数列を、フィボナッチ数列といいます。この数列には特徴があり、ある数字と次に続く数字を見てみると、面白い関係にあります。
例えば、次の2つの法則です。
まず1つ目は、連続する2つの数字の合計が、次の数字になります。
1 + 2 = 3
3 + 5 = 8
5 + 8 = 13
これが、永遠と続いているのです。
そして、2つ目の法則は、限りなく次のような数字になります。
・その数字を1つ後の数字で割ると、0.618になる。
・その数字を2つ後の数字で割ると、0.382になる。
・その数字を3つ後の数字で割ると、0.236になる。
この法則を計算すると、次にようになります。
233 ÷ 377 = 0.618
89 ÷ 233 = 0.382(切り上げ)
21 ÷ 89 =0.236(切り上げ)
これは、どの数字を取っても同じようになります。そして、0.236、0.382、0.618という倍率を「フィボナッチ比率」もしくは「黄金比率」と呼びます。
フィボナッチ比率は人間の心地良い心理状態を表したもの
このフィボナッチ比率は、ひまわりの種の配列・カタツムリの殻など、自然界にも見られます。
また、ピラミッドやモナリザなど、多くの歴史的建造物・芸術作品にも使われています。
簡単に言うと、大多数の人が見て、美しいと感じるものですね。
理由として、人間が心理的に「心地が良い」とされる数字で成り立っているからと言われています。
これを、投資の世界に当てはめてみると、次にように考えることができるのではないでしょうか。
値動きは、世界中の投資家の思惑が入り混じっています。
そして、思惑や集団心理を織り込んだチャートについては、自然の摂理やフィボナッチ比率が働きやすいといえます。
ラインを引いた所で反発する現象は「心理的」もしくは「テクニカル的」に支持帯や抵抗帯になっているだけで、決して、フィボナッチ比率の見えない力が働いているわけではありません。
しかし、押し目や戻りポイントを図る、ポジションを持つ、決済するなど、トレードで利益を上げるための売買根拠を求めているのは、機械ではなく人間であるため、そこにフィボナッチ比率が働くのは、ごく自然なことであるといえます。
フィボナッチリトレースメントとは?
フィボナッチリトレースメントでは、任意の直近の高値(安値)と安値(高値)を結び、その下降(上昇)幅を23.60%、38.20%、50.0%、61.80%で分割し、「戻り」の目標値を算出します。
何故フィボナッチリトレースメントがMT5に標準的に表示されているかというと、最も投資家に利用されている代表的なツールだからです。
そのため、フィボナッチ・リトレースメントのサポートやレジスタンスになるポイントは、より多くの投資家が見ているので売買注文が急増し、節目となることが多いのです。
投資家が注目するポイントとは、「トレンドが発生した時」です。
詳しくは順番に後述しますが、トレンドが発生するということは、多くの人が注目し売買注文が急増しますので、投資家心理が反映するのも自然な流れです。
相場はトレンドが発生したときでも一直線に動くわけではなく、「戻り」の動きを繰り返しながら動いていきます。
上昇相場における押し目や下降相場における一時的な戻りの目標価格を判断する指標として「フィボナッチリトレースメント」が使われます。
フィボナッチリトレースメントの活用方法
上昇トレンドで0を高値とした場合、どこまで下がるか?
下図では、AからBの下降トレンドがBを底(安値)に上昇へ転じています。
これがどこまでで戻るかを予想する時、Aからの下降幅をフィボナッチ比率で分割した水準(23.6・38.2・50.0・61.8)がその候補となります。
下降トレンドで0を低値とした場合、どこまで上がるか?
下図では、AからBの下降トレンドがBを底(安値)に上昇へ転じています。
これがどこまでで戻るかを予想する時、AからBの下降幅をフィボナッチ比率で分割した水準(23.6・38.2・50.0・61.8)がその候補となります。
強いトレンドは23.6%と38.2%に乗っていく
再度、先程と同じトレンドの下図を見て下さい。
押し目となったフィボナッチは、23.6%ですね。このあと高値を更新して、チャートの形はNの字になりました。
このように、相場はNの字で動くことが多く、トレンドが強いと23.6%と38.2%が押し目となってさらにトレンドが継続することが多くなります。
これは、一時的に下落しても早い段階で再度買い注文が入り始めるので、買いそびれたくないトレーダーが多いことを意味します。
もっと下げるだろうと待っていると、買うことができずに上昇し始めてしまうので、そうなりたくないという投資心理が働き、早い段階から押し目買いが入ります。
大多数のトレーダーが同じトレンド目線だと、50.0%まで上昇(下落)せずに浅い押し目で、トレンドがぐんぐん伸びていきます。
50.0%と61.8%まで反転したらトレンド転換の可能性が高くなる
トレンドが強いと、23.6%や38.2%が、押し目や戻りになりやすいことは上述しました。
これが、50.0%の半値まで一時的に反転する(=安値と高値の中間地点までくる)と、どうでしょうか。
ここからトレンドが継続すると考えるトレーダーがいる一方、半分まで反転したのだから、いよいよトレンドが転換するのでないだろうか、と考えるトレーダーも増えることが想像できますね。
また、61.8%まで下落すると、そこからトレンドを再開させて高値(安値)をブレイクするには、そう簡単にはいかなくなります。
そのため、フィボナッチが50.0%と61.8%まできたときは、トレンド転換の可能性があります。
下図をご覧下さい。
高値から安値を結んでフィボナッチを引きました。
Aから始まりBで安値となり、Cの23.6で反発したあと、Dまで戻ったため下降トレンド再開で安値更新を目指しますが、安値更新は失敗し、Dで下降が止まりました。
その後、Eの50.0%まで短時間で上抜けました。
ここまで上昇すると、トレンドは転換しやすくなります。
Cの時点では、下降トレンドを狙ったトレーダーが売り注文を出しますので、まだ下降トレンドになる可能性はあり、価格も反応して反落しています。
しかし、Eを上抜けたあとは上下どちらにも価格が動く可能性があります。
たとえ、下降トレンドになったとしても、時間をかけて上下動を繰り返しながら下落していくでしょう。
このような場面では、どちらに進み始めるか、見極める必要があります。
もし分からなければ、様子見をするのが良いでしょう。
(上図の場合は、この後上昇トレンドに転換しました。)
フィボナッチはサポートライン/レジスタンスラインになる
サポートライン・レジスタンスラインについてはこちらの記事をご覧ください。
フィボナッチ比率のいずれかで価格が反転すると、その価格帯がサポートラインやレジスタンスラインになることがあります。
そのため、再び価格がその付近にくると、反発や反落が起こりやすくなります。
下図をご覧下さい。
高値Aと安値Bを結ぶと、Cの23.6%とDの38.2%が出てきます。
Cで価格が反応し、反落しています。
その後、Cを上抜けました。
このとき、抵抗帯(レジスタンス)となっていたCの価格帯が、上抜けた事により支持帯(サポート)になります。
そのため、Dで反落したローソク足がCにきたとき、支持する力が働きます。
このように、フィボナッチはサポートラインやレジスタンスラインになることも覚えておいて下さい。
まとめ
- フィボナッチリトレースメント最も使われている、黄金比率に基づいたチャート分析ツール
- トレンドが発生している際に使用し、23.6%・38.2%で反発することを予想したり、50%でトレンドが転換することを予想したりする事が出来る
- 描画したフィボナッチリトレースメントは、サポートライン、レジスタンスラインになる事もある
チャートを読み取るためには『投資家の集団心理を理解する』事が必要だという話をしました。
フィボナッチ・リトレースメントを理解すること、それは、投資家の集団心理を読む事に他ならず、ひとたび使い方のコツをつかむと、確度の高いトレードが継続できるようになることを意味します。
まずは、トレンドが発生したらフィボナッチ・リトレースメントを引く、という作業からスタートすることがおススメです。
この機会に、フィボナッチ・リトレースメントを是非トレードに取り入れ、活用してみてくださいね!
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